発 表 日 |
発 表 者 |
論 文 名 |
2010.8.20 |
01018 |
「楽団結成9周年の『創立記念日』に」 |
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楽団うちの大学は、2010年8月20日に9周年を迎えました。おめでとうございます。 9年前、このような形で楽団が活動を継続していることはどなたが予想していたでしょうか。この9年間、こんな小さな楽団でも色々なことが起きました。嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悲しいこと、怒り、失意… これらたくさんの「感情」が生まれるに共通している理由は、「楽団うちの大学」であること、すなわち良く言えば「発展途上の楽団」、悪く言えば「未熟な楽団」であることです。いいこともわるいことも、様々な場面を共有してきた楽団です。 “その場その時限り”の「限定楽団」から、“続く限りいつまでも”の「永続楽団」への移行を目指すことを決意した2006年。伴って、2007年夏に、楽団を引率する役職「三役」を創設しました。それまで絶対的な主導者がいなかった楽団には大きな変化でした。これ以降、楽団内の様々な事象に対し、都度変化をつけながら楽団を形成してきました。次々繰り出される“楽団の変化”に戸惑われた楽団員も多かったはずです。しかし、その時その状況で起こさなければならなかった「変化」がありました。その最大理由は、「運営陣人員の確保=楽団の維持」にあります。特に第8期から第10期前半にかけては、この仕組みづくりに力を入れてきた2年間でした。 2009年夏、楽団は「やくそくの約束」を発効し、役側の進退決定基準や楽団の意思決定のフローなどを整備しました。 そして、その総仕上げとなる「やくると365」を今年7月に導入し、楽団は新しい運営方式に移行しました。 ※「やくると365」…役類特別金制度 楽団が運営人員に一定の金銭を支払う仕組み。運営陣人員1日の対価を 楽団長10円、副楽団長9円、マネージャー8円、四側要員6円と設定し、10円+9円+8円+(6円×4人)=51円/1日 「(※四側要員4名の場合)1日あたり51円(年間18,615円)で楽団を維持する」という考え方・仕組みです。人員の変動(入れ替わり)があっても、年間18,615円の支出は変わりません。そして、この「やくるときん」が支払われる理由は、特に設定していません。それは「楽団を1年間維持した実績に対して支払われるお金」であることが理由です。また、その取り扱いについては各人が「受領」・「返納」を選択できることが特徴です。「やくると365」の導入目的には、楽団運営人員の安定確保と活動資金の発展的利用があります。 これについての運営陣審議中、運営陣より「楽団の消滅」について踏み込んだ意見があり、解釈論「楽団解散定義」を追加導入しました。 ※「楽団解散定義」…現在活動している「楽団うちの大学」は「第1次 楽団うちの大学」です。活動資金(楽団保有資金)の枯渇を以って、「第1次 楽団うちの大学」は解散します。その後、楽団員(第1次楽団での学籍取得者)5名の「復活宣言」により、名称「楽団うちの大学」の団体を復活させることができます。但し、第1次活動から唯一不変で継承するものは「楽団うちの大学」の名称のみで、意匠・備品・固有学籍・制度・運用基準・楽曲等、第1次活動で決定・購入・精算したものを第2次活動へ使用・反映・継承するか否かは、第2次楽団人員の判断に委ねられます。 前述の通り、「永続楽団」を構築する基礎づくりを行ってきた過程に、これらを決定した背景があります。この導入への一連の経緯について、運営陣多数決の手続きによる正当性が確立されているものでありますが、独断専行との事務へのご批判は甘んじて受ける覚悟であります。しかし、無意味な空論を繰り返すより、何と言われようが何と思われようが常に実質的展開を目指しています。長年の案件であった「楽団員が楽団を引率できる環境をつくる」という仕組み構築はある程度整いました。10周年まであと1年、残された時間で「楽団を引率したいと思える」仕組みを構築することが、微力ながら事務としての私の最後の使命だと感じています。 加えて言えば、[楽団員]−[事務]は、楽団あっての間接的な個人の関わりにすぎないので、いつ途切れてもよい関係です。一方、[楽団員]−[楽団]は直接的関係において、極力途切れてはならない関係です。従って、楽団への批判が私(事務)へ集中することについては、批判の方向が楽団本体を回避し私個人に向けられているので、考え方次第では最良の状態であると言えます。 (理由は各々にあることでしょうが)去っていく楽団員を減らし、次も参加したいと思える活動を続けるためには、魅力ある楽団でなければなりません。現在活動している楽団員が10年後も楽団うちの大学で活動しているように。今期入団した楽団員(新入生)が2年後・3年後に運営陣人員となって楽団運営の中枢を担っているように。 本質部分を言えば、現在の「第1次 楽団うちの大学」を解散させて「第2次 楽団うちの大学」へ移行させることが、「魅力ある楽団づくり」に近道なのは確かです。私は第2次楽団に合流する意思はありません。よって、早期に第2次へ移行し、私が「好き勝手」やってきた旧来の体制にとらわれる事無く、第1次楽団の良かった部分を取り入れ そうでなかった部分を切り捨て現行からの脱却を図ることが本当の「楽団づくり」の一歩になるはずです。そう考えれば、「第2次」への移行も積極的に捉えられるのではないでしょうか。
現実部分ばかり羅列しましたので、理想も挙げてみたいと思います。 私が理想とする楽団は「だれでもつくれる、動く楽団」です。 どういうわけか、私の周辺では野球をしている人が多くいます。私自身は競技者ではありませんが、あるチームの広報を担当しています。そのチームメイト多くは、それぞれに自分のチームを持っています。野球チームの特色は彩り鮮やかです。精神的な部分で言えば、各種大会に出場して県下トップクラスを目指すチームもあれば、楽しく身体を動かすことが目的のチーム、職場日常の息抜きが目的のチーム 技術的な部分で言えば、打線重視の攻めの野球、守り重視の堅い野球、相手を崩すことに重点を置いた頭脳野球… 「来年(将来)、俺はこういうチームつくろうと思っている」という言葉もよく耳にします。 一方、楽器を奏でる音楽団体はどうでしょうか。クラシックは交響楽団・吹奏楽団、ポップミュージック・ロック・ジャズはバンド、マーチングはビューグルコー… プレイヤー自身が望む奏でたい音楽種類によって楽団・バンドを選びますが、楽団が音楽種類を選ぶという団体は少ないような気がします。 楽団うちの大学にあっては「音楽種類の設定」がありません。また、「1年間の活動予定は 大会に出て、演奏会開いて、訪問演奏して…」というような既定された「活動予定」も設定がありません。これは逆から言えば、「自由音楽活動」ということではないでしょうか。 さて、だれがこの「自由」を、「音楽」を、活動の形にするのか。それは楽団長をトップとする三役です。 現在の自由参加を維持しつつ、かつ在籍楽団員が充足し確固とした楽団編成が構築されていることを前提として、 Aさん「私はビッグバンドジャズをやりたい」 Bさん「俺はコンクールに挑戦したい」 Cさん「うちは訪問演奏で県内を回りたい」 Dさん「わては雅楽やりたいねん」… 楽団長(三役)の任期は2年です。Aさんが楽団長に就任した「A学期(任期中)」は「ジャズ演奏に力を入れる2年」、Bさんが楽団長「B学期」は「コンクールに重点を置く2年」として活動になります。「こういう音楽をやりたい」「こんな楽団をつくりたい」という目的を提示して、楽団員大勢が支持する楽団員が「楽団長」になって手腕を揮い自らつくりたい楽団を「うちの大学」でデザインする、そんな大胆なことが現実に「うちの大学」でできればおもしろいと思います。 理想だけではお腹と心はふくれませんが、時には現実を離れて明るい将来をイメージしておきたいものです。9年も続くとは思いもしなかったのだから、きっと予想しない未来があるはずです。 |